ドッグラン・チャンプへの道〜最終回

「かわいい子、め〜っけた」。
広いドッグランをあてどなくさまよい歩くロイの前に、もふもふした小型犬（勉強不足で犬種が分かりません）「ウェンディ」（仮名）が現れた。

「ねえねえ、遊ぼうよお」。さっそくちょっかいを出すロイ。

「あっ。同じのがもう一匹いる」。興味津々でついて回るロイ。

実はウェンディは女の子で、もう一方は男の子。
男の子はロイに全く興味を示さず、ギャラリーの人間たちの方が好きみたい。
ちょっと目を離したすきに、ロイが大変な狼藉を働いていた。

「お前って奴は、相手が女の子だからって…。けしからんっ」
割って入ろうとすると、ウェンディも猛反撃。

ハラハラしているのは私ばかりで、ウェンディちゃんの飼い主さんはへっちゃらの様子。

でも、やっぱり最後はこうなった。

「ロイ、戦う相手が違うだろっ」
ロイの魔の手を逃れたウェンディは、犬のお巡りさん「エリザベスちゃん」へ被害届を提出。
「ふむふむ、ロイにも困ったものだねえ。きっと今に痛い目に遭いますよ」とエリザベスちゃん。

予言は的中。
調子こいたロイは、ちょっかい出しちゃいけないおじさんにガン付けちゃった。

おとなしそうに見えるオヤジさん。実はこのシマを仕切っている親分だった。
「女子供相手にいいかげんにせんかい」。オヤジは垂れ耳跳ね上げ、ロイを猛追。

「ちょっと待ってよ。ボクも４カ月の子供なんだけど…」。必死に逃げるロイ。

「あひ〜」

あっ、捕まった。
ちょっと見えにくいけど、ロイは完全に組み敷かれ、身動きもできない。

「ごめんなさ〜い。もうしません（ウソで〜す）」。ロイの泣き声が聞こえる（気がする）。
ドッグラン・チャンプへの道は険しいなあ。ロイ。
ＢＹニック
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