吊す

 ロイを吊した。次男カズ(11)の手を何度もかんだからだ。
 初めはマズルを押さえて注意していたが、調子に乗って何度もカズの手に牙を当てるロイを背後から吊し上げた。
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 ギャイーン、ガウガウ。すごい鳴き声をあげて抵抗したけど、首根っこをつかむ手は緩めなかった。
 「父ちゃん、何でこうなるの?」。ロイが必死の形相で訴えてきたけど、こらえた。
 「もういいよ」。カズは顔を背けたけど、私は許さなかった。ロイは家族の一員だから。やっちゃいけないことを誌って欲しかったから。
 「これで良かったんだろうか」「やり過ぎたんじゃないだろうか」。興奮するロイの体を丹念になでながら心が締め付けられた。
 ロイを抱きかかえる手のひらに早鐘を打つようなロイの鼓動が伝わる。
 「ごめんよ。でも、みんなに嫌われるような子になって欲しくないんだよ」。
 幼かったころの長女ユカ(20)や長男タク(17)を張り倒した十数年前を思い出した。痛かっただろうな。怖かっただろうな。
 子どもたちをあんなに厳しくしつけたことが本当によかったのかどうかは、今でもよく分からない。きっと、私の知らないところで、女房やいろんな人が温かく支えてくれたんだと思う。ありがたいことに、みんないい子に育ってくれたから。
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 十分時間をかけて体中をさすってから、ロイをケージに戻す。ロイは静かに犬小屋に半身を入れたまま、小さなソファーに小さな顔を埋めていた。反省しているのか、ふてくされているのか。なぜ怒られたのか、分かってくれたかな。BYニック
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