卒業

「懐かしい友の声 ふとよみがえる
 意味もないいさかいに 泣いたあの時
 心通ったうれしさに 抱き合った日よ……」
ウィーン日本人学校の卒業式。
小中学生28人が心を込めて歌った「旅立ちの日に」という歌が素晴らしかった。
少しぐらい音程が外れていても、声を限りに歌う子供たちの姿の何と清々しいことか。
心に染み入るピアノの伴奏が胸に迫る。
130314卒業式01.jpg
「みんな過ぎたけど 想い出強く抱いて
勇気を翼に込めて 希望の風に乗り
この広い大空に 夢を託して……」
私が小学生だったころの卒業式の定番ソングは何だったかな。
そんなことさえもう思い出せない。
130314卒業式02.jpg
日本で暮らす長女ユカのことを思い出していた。
私の転勤のため、小学校6年間だけで国内外の学校へ5回も転校した。
ユカが日本で迎えた卒業式は中学校しかなかった。
エルサレムの学校から中学2年の2学期で転入。
おっとり、口べたな娘はいつも友だちをつくるのが苦手だった。
いつだったか、補聴器の一部をピアスだと勘違いした級友が教師に告げ口したことがあった。
教師は事実を確認しないまま、一方的にユカをしかりつけた。
大きな瞳を真っ赤に腫らして、大粒の涙をこぼした娘の姿が忘れられない。
卒業式。
何人もの友だちと腕を組んで写真に収まったユカ。
セーラー服の真っ赤なスカーフがよく似合った。
娘の輝くような笑顔に心救われた気がした。
080319優香卒業式_copy.jpg
高校2年を終えた春、再びウィーンの学校へ転校。
進学前の大事な時期にまた転校なんて、どれだけ非常識なことか分かっていた。
でも、家族が一緒に暮らせないのはどうしても嫌だった。
「一緒に行くか」と尋ねた私に、何の迷いもなく「うん」とうなずいてくれた。
どれだけうれしかったか。
ウィーンの高校には1学年下げて2年生から編入。
昨年6月に卒業し、進学準備のため一足先に帰国した。
4月には私と妻の母校に入学する。
苦しいことや悲しいこともあったけど、楽しいこともいっぱいあったよね。
まだまだ長い坂道は続くけど、くじけずに歩き続けて欲しい。
「今 別れの時 飛び立とう
未来信じて 弾む若い力信じて
この広い大空に……」

がんばれ、ユカ
BYニック
よろしければ、どれかクリックお願いします。
にほんブログ村 犬ブログへ
にほんブログ村
にほんブログ村 海外生活ブログへ
にほんブログ村
にほんブログ村 子育てブログへ
にほんブログ村

カテゴリー: 3姉弟, 家族 パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。