初めてのドッグラン

24日夕、雪で被われた自宅前のドッグランに初めてロイが足を踏み入れた。

親兄弟以外の犬と正面から向かい合ったことのないロイは、あいさつのイロハさえ知らない。
近寄ってくる犬たちに吠えかかり、最初の厳しい洗礼を受けた。
すごい勢いで正面から突っ込んできたのは、ジャックラッセルテリアのバウアー君（勝手に名付けてます）。
いくら吠えたって効き目なし。体当たりを繰り返すバウアーを興奮させるばかりで、他の犬まで呼び込む羽目に。
後退に次ぐ後退でフェンス際に追い詰められたロイ。ついに泣きが入る。

「ごめんなさい。僕が悪かったです……」
「分かりゃいいんだよ。お前は今日から俺の手下だ」
でも、バウアーが悠然と背を向けた途端、よせばいいのにまたロイが吠えかかる。
「ナンチャッテ。お前の手下なんてやだよーっだ」
「このガキャ、まだしばきたりねえのか」
こんな調子で、へたれのくせに妙に粘るロイ。
最初は股の間に隠れていた白い尻尾が、だんだん姿を現し始めた。
でも、本当に貫禄のある犬の前では違う姿もみせた。据え物のように微動だにせず、尻のにおいをかがれるばかり。
親分も弱い者いじめはしない。それどころか、ロイにちょっかいを出そうとしたサンピンにガウッとにらみをきかせる。ロイもちょっと嬉しそう。
いい勉強になったね、ロイ。ＢＹニック

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